今にわかる!?「端歩」と仕事の意味
こんばんは。将棋で人事労務® を伝える文京区の社会保険労務士 山岡 です。
明治から昭和初期にかけて活躍された故坂田三吉さんの言葉が興味深いです。
「今にわかる」
坂田三吉さんが初手で端歩を突いたことについて、なぜ最初に端歩を突いたのか?
「今にわかる」は、弟子の質問に対する回答です。
初手は7六歩や2六歩など、角道を開けたり、飛車先の歩を突くことが多いのですが、坂田三吉さんはいきなり端歩を突きました。端歩を突くと攻めや守りがその分だけ遅くなると思われていた時代ですので、相手や観戦者は驚いたと思います。(初手で端歩を突くと現代でも驚かれると思います)
「手のない時は端歩を突け」という格言があるほど、どちらかと言うと、他に何もすることがない時に端歩を突くことが多いので、今にわかると言われても???
ところが現代の将棋では端歩が認知され、序盤の早い段階で端歩を突くことが増えてきたようです。当時は理解されなかった端歩の意味が、何十年も経過してからわかる・・・深いですね。
それほど長い期間ではなくても、一局の将棋でも早めに端歩を突いておいて良かったな〜と思うことはあります。
終盤に差し掛かって自分の王将に危機が迫ったとき、あらかじめ端歩を突いていたおかげで上部に逃げることができたり、逆に相手の王将の上部脱出を妨げることができたり、序盤では見えなかったものが終盤になって見えてくることがあります。
上図は、2007年の第57回NHK杯戦2回戦第11局の投了図です。端歩が相手の王将の逃げ道をふさいでいますね。
私が新入社員だった頃に先輩に言われた言葉があります。
「そのうちわかるようになるから、今は言われたとおりにしろ。」
入社したばかりの私に説明しても、基本が身についていない段階では理解できないと思われたのかもしれません。
モヤモヤしながら割り切って仕事を続けていると、知識や経験が増えてくるにつれてその仕事の意味を理解できるようになりました。
意味がわからなくても、結果がすぐに出なくても、ある程度は続けてみると見えてくるものがあるのかもしれません。続けてみて、もしも違っていたらやり方を変えてみれば良いのでは?そんなことを感じます。
今にわかる・・・ことは、仕事に限らずいろいろありそうですね。
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