王将を取ると勝ち!でも、最後は王将を取らない
こんばんは。将棋で人事労務® を伝える文京区の社会保険労務士 山岡 です。
将棋は相手の王将を取ると勝ちですが、実際には王将を取ることはありません。相手が何をやっても次に王将を取られてしまう状態(詰み)になったら、相手の王将を取らずに終了します。
また、勝負の最中に相手の駒を取ることがありますが、その場合でも自分の駒として再使用することができます。
駒の再使用をめぐっては、次のような逸話があります。
故升田幸三実力制第4代名人の自伝「名人に香車を引いた男」には、第二次世界大戦後のまもない頃に、GHQが日本の将棋を禁止しようとした際のやり取りが掲載されています。
それによると、まず先手を取ったのはGHQだったようです。
「われわれのたしなむチェスと違って、日本の将棋は、取った相手の駒を自分の兵隊として使用する。これは捕虜の虐待であり、人道に反するものではないか」
これに対し、升田幸三(当時八段)は、
「冗談をいわれては困る。チェスで取った駒をつかわんのこそ、捕虜の虐殺である。そこへ行くと日本の将棋は、捕虜を虐待も虐殺もしない。つねに全部の駒が生きておる。これは能力を尊重し、それぞれに働き場所を与えようという思想である。しかも、敵から味方に移ってきても、金は金、飛車なら飛車と、元の官位のままで仕事をさせる。・・・」
と返し、これによって将棋は救われました。
日本の将棋は、取った駒を再使用できることが特徴であり、なおかつ勝負が決まっても相手の王将を取ることはありません。(将棋を覚えたての頃は相手の王将を取るかもしれませんが)
会社が従業員を異動させる場合には、本人のモチベーションに影響することがありますので、その伝え方には細心の注意を払いたいところです。
一方で、労働者が転勤や転職をする際には、現在の職場で最後までしっかり働き、後任者へ引継ぎをすることが大事です。次の働き場所でも、金は金、飛車なら飛車として活躍するためにも・・・是非そうあって欲しいと思います。
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